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世界の食品ロス、いまの数字——毎日10億食が捨てられている

世界では1年間に約10.5億トン——毎日10億食以上に相当する食べものが捨てられていると推計されています。日本の最新値は年間461万トン(2026年6月30日公表)。この記事では、国連と日本政府の一次資料に載っている数字だけを使って、世界と日本の現状、期限表示の正しい理解、そして家庭で今日からできる対策を整理します。

2026年7月18日公開 / 本記事の統計はすべて記事末尾の一次資料(国連・省庁の公表値)からの引用です。写真はイメージです。

まだ食べられるのに捨てられていく食品(イメージ)

1. 世界の食品ロス——最新の公式統計

世界の消費段階(小売・外食・家庭)の食品廃棄をはかる公式統計は、国連環境計画(UNEP)の「Food Waste Index Report」です。現時点の最新版は2024年公表(2022年のデータ)。数字はこうなっています。

指標数値集計
消費段階で捨てられた食品(2022年)約10.5億トンUNEP
消費者に届いた食品のうち捨てられた割合約19%(ほぼ5分の1)UNEP
うち家庭から6.31億トン(全体の60%UNEP
うち外食(フードサービス)から2.9億トンUNEP
うち小売から1.31億トンUNEP
家庭系廃棄を1人あたりに直すと年間79kgUNEP
食事の回数に換算すると毎日10億食以上に相当(推計)UNEP
収穫後〜小売の手前で失われる食料13%FAO
消費段階でみると、最大の発生源はスーパーでも外食産業でもなく家庭(60%)。食品ロス対策は企業や行政だけの話ではなく、私たちの冷蔵庫もその重要な現場のひとつです。

用語メモ:国際統計では、生産〜小売の手前で失われる分を「フードロス」(FAOが集計)、小売・外食・家庭で捨てられる分を「フードウェイスト」(UNEPが集計)と分けて数えます。日本語の「食品ロス」は両方をまとめて指すことが一般的です。

2. 気候とお金への影響

捨てているのは食べものだけではありません。育てて・運んで・冷やして・調理したエネルギーごと捨てています。

影響数値
世界の温室効果ガス排出に占める食品ロス・廃棄の割合8〜10%(IPCC 2019)
埋立地で腐る食品が関わる世界のメタン排出最大14%
世界経済の損失年間約1兆ドル
同じ地球上で飢餓に直面する人7.83億人
食品廃棄の削減に投資した場合のリターン1ドルにつき14ドル(Hanson & Mitchell 2017)

この表の数値の出典は、いずれも記事末尾に挙げた国連キャンペーン(UNEP/FAO)のFacts & Figuresページです。

3. 日本の最新値——461万トン(2026年6月30日公表)

日本の食品ロス量は毎年、農林水産省と環境省が推計を公表しています。最新は2026年6月30日に公表された2024年度(令和6年度)の推計値です。

区分2024年度(最新)2023年度(前年)増減
合計461万トン464万トン▲3万トン
家庭系(一般家庭から)224万トン233万トン▲9万トン
事業系(食品関連事業者から)237万トン231万トン+6万トン

事業系237万トンの内訳は、食品製造業110万トン・外食産業70万トン・食品小売業48万トン・食品卸売業9万トン(農林水産省・2024年度推計)。

国民1人あたりに直すと年間37kg=1日およそ100g。お金に換算した経済損失は年間3.8兆円、国民1人あたり31,097円にのぼります(消費者庁・農林水産省・環境省の推計。家庭だけでなく事業者からの食品ロスも含んだ数字です)。

国の削減目標(いずれも2000年度比・2030年度まで)は、家庭系=半減(基本方針では「2030年を待たずに早期達成」すると掲げられています)、事業系=60%削減です(環境省)。事業系は2024年度時点で2000年度比57%削減まで来ており(農林水産省)、60%はそれをさらに深掘りする新しい目標です。この1年では家庭系が9万トン減った一方、事業系は6万トン増えました。家庭系はまだ224万トンあり、世界統計と同じく最大級の発生源であることに変わりはありません。

4. 賞味期限と消費期限——「切れたら即捨て」をやめる

家庭の食品ロスを減らすうえで、いちばん誤解が多いのが期限表示です。農林水産省の定義はこうです。

表示意味つく食品の例
消費期限未開封・表示どおりの保存で「安全に食べられる」期限お弁当・サンドイッチなど傷みやすい食品
賞味期限未開封・表示どおりの保存で「おいしく食べられる」期限。過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではないスナック菓子・缶詰など傷みにくい食品

「賞味期限が昨日だったから捨てる」は、定義のうえではもったいない行動です(安全の期限である消費期限は守ってください)。賞味期限を過ぎた食品を食べるかどうかは、保存状態や見た目・においを確かめて、最後はご自身で判断を。また、一度開封した食品は期限に関係なく早めに——これも農林水産省がはっきり書いているルールです。

5. 今日からできること

農林水産省が挙げている、家庭・消費者の行動はこちらです。

場面行動
買い物すぐ食べるものは棚の奥から取らず、陳列順(手前)から買う/値引き・見切り品を選ぶ
外食食べきれる分量で注文する

そのうえで、家庭系ロスに効くのは「家に何があって、いつまでか」を見える化しておくことです。「冷蔵庫の奥で気づいたら期限切れ」の経験は誰にでもあるはず。期限が見えていれば、切れる前に食べ切る・買い足さないの判断ができます。

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よくある質問

世界ではどれくらいの食品が捨てられていますか?

国連環境計画(UNEP)の最新統計(Food Waste Index Report 2024)によると、2022年に小売・外食・家庭で約10.5億トンが捨てられました。消費者に届いた食品の約19%にあたり、毎日10億食以上に相当します。

日本の食品ロス量の最新値はいくつですか?

2024年度(令和6年度)の推計値で年間461万トンです(2026年6月30日に農林水産省・環境省が公表)。内訳は家庭系224万トン・事業系237万トンです。

食品ロスは地球温暖化と関係がありますか?

あります。食品のロスと廃棄は世界の温室効果ガス排出の8〜10%を占めるとされ(IPCC 2019)、埋立地で腐る食品は世界のメタン排出の最大14%に関わるとされています。

賞味期限が過ぎた食品はすぐ捨てるべきですか?

賞味期限は未開封で保存方法を守った場合に「おいしく食べられる」期限で、過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません(農林水産省)。一方、消費期限は「安全に食べられる」期限です。食べるかどうかは保存状態や食品の状態を確かめて判断し、開封後はどちらも期限に関係なく早めに食べましょう。

出典(一次資料)
国連 Stop Food Loss and Waste(UNEP/FAO共同キャンペーン)Facts & Figures——世界の統計値
stopfoodlosswaste.org/about/facts
UNEP「Food Waste Index Report 2024」(報告書本体)
unep.org(Food Waste Index Report 2024)
環境省 報道発表「我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和6年度)の公表について」(2026年6月30日)
env.go.jp/press/press_05155.html
消費者庁「2024(令和6)年度食品ロス量推計値の公表について」
caa.go.jp/notice/entry/046549/
消費者庁・農林水産省・環境省「食品ロスによる経済損失及び温室効果ガス排出量の推計結果」(3.8兆円・1人あたり31,097円・37kg/年)
caa.go.jp(別添2 PDF)
農林水産省 報道発表「事業系食品ロス量(2024年度推計値)を公表」(業種別内訳・2000年度比57%削減)
maff.go.jp(事業系食品ロス量)
農林水産省「食品ロスとは」(家庭と事業者の行動)
maff.go.jp(食品ロスとは)
農林水産省「消費期限と賞味期限」(定義・開封後の注意)
maff.go.jp(消費期限と賞味期限)